日清中華そば　らうめん

召しませらうめん

日清中華そば　らうめん

日清食品

1958年（昭和33年）に発売開始された日清「チキンラーメン」は麺を油で揚げることで水分を飛ばし、長期保存を可能にした世界初の即席めん。その製法である「瞬間油熱乾燥法」は長らく即席めん製造に必須の技術でしたが、揚げることで高カロリーになり、麺のコシが失われるという欠点がありました。
健康ブームの到来によって既に即席めんは不健康食品のレッテルを貼られていたこともあり、油で揚げずにカロリーオフを図る必要がメーカーに求められます。さらにグルメブームの到来は、本格志向の生めんのようなコシをも要求しました。
その両方を可能にした画期的な商品が「日清中華そば　らうめん」です。フリーズドライを応用したマイクロウェーブノンフライ製法を採用し、ツルッとしなやかでコシがあり、しかもカロリー控えめ。昔ながらのお店の中華そばを思わせる味わいでした。スープも鶏ガラを使用したあっさりしょうゆ。
後年みそ味やゆずしお味などのフレーバーも発売されますが、長年愛されてきた瞬間油熱乾燥法の麺に舌が慣れ切ってしまったのか、世間からさほど注目を浴びることなく、一部のコアな支持者によってそれなりに売れる…といった感じでした。
おまけに2011年（平成23年）、東洋水産が「マルちゃん正麺」を発売開始。ノンフライ高級めんで殴り込みを掛け、長年低迷を続けていた即席袋めん市場を快進撃します。その結果、あおりを食らった「らうめん」はひっそりと販売中止となってしまいました。

画像：日清食品株式会社