メンズムース
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スカイホッピー
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発売元 | ライオン油脂 |
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発売日 | 1965年(昭和40年)8月 |
価 格 | 100円 |
街行く若い女性の背後から忍び寄って突然声をかけ、驚いて悲鳴を上げながら逃げようとする彼女を無理に引きとめる―――
こう書いてしまうとなんだか夜道の変質者かストーカーのようですが、その実態はシャンプーのTV-CM。
1970年(昭和45年)、三船敏郎さんが無言でただビールを飲み、最後に「男は黙ってサッポロビール」とナレーションが入る名CMがありました。そのナレーションを担当した船山喜久弥(ふなやまきくや)さんが同年11月に挑んだのが、全国あちこちの街角で若い女性に声をかけるインタビュアー役。声をかけた女性に「エメロンクリームリンス」を試供する代わりに、振り向いて顔をカメラに見せてもらうという筋書きでした。
芸能人ではない一般の女性、なおかつ演技なしの素の反応をCMで流すという手法はこれまでになく、世間の話題になりました。
「ちょっと後ろを振り向いてください」
と声をかけるくせに、CMソングが「♪振り向かないで~、(地名)のひと~」と正反対のセリフを歌っているのもコミカルでしたよね。
このCMソング、ハニー・ナイツの「ふりむかないで」はご当地それぞれの地名を織り込み、その歌詞の数はなんと72種。街角インタビューも全国さまざまな土地で収録され続け、シリーズは7年間も継続されました。
初年度の作品はACC CMフェスティバル「第11回テレビフィルムCM部門」で秀作賞を獲得。
ちなみに2002年(平成14年)にも「ふりむかないで」を郷ひろみさんが歌い、同じスタイルのCMがリバイバル放送されています。
さて肝心の商品のほうですが、もともと「エメロン」は1965年(昭和40年)8月に発売開始。当時はピンクのボトルとブルーのボトルの2種があり、それぞれジャスミンとラベンダーの香りがしました。
シャンプーの発売に続いて翌年3月には「エメロン化粧石鹸」を、1968年(昭和43年)5月には髪にスプレーするだけ、お湯ですすがなくて良い「エメロンスプレーリンス」をリリース。
そして1970年(昭和45年)5月に「エメロンクリームリンス」が登場し、秋以降に放映されたCMが話題を呼んだという具合です。商品価格は200円でした。
その後も「エメロンオイルリンス」「エメロンミンキートリートメント」「エメロンアクアミー」とさまざまにラインナップを広げ、1976年(昭和51年)には「エメロンスキンクリーム」を仙台地区で先行発売。2年後に「♪の~びのび、さらさら、エメロンスキンクリーム~」というコピーで全国で売り出されました。相本久美子さんのCMを覚えている人も多いでしょう。
1992年(平成4年)には「エメロン 植物物語」が登場。植物物語は2005年(平成17年)にエメロンブランドを捨てて、「植物物語 ハーブブレンド」に。同時にエメロンの名は消滅してしまいました。
画像:ライオン株式会社
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